あなたが選んだセリフは
5:「先生、すみません。そこのペンお使いしてもいいですか」


A先生「ちょっとこの紙に図をかいてくれる?」
あなた「先生、すみません。そこのペンお使いしてもいいですか。」
A先生「ああ、このペン?どうぞ、使ってください。」
あなた「ありがとうございます。」


【解説】

「お使いしてもいいですか」という言い方でも、確かに意味はわかります。しかし、「お〜する」の使い方としては、間違いです。なぜでしょうか。

「お〜する」という形は、自分の動作を敬意表現を使って表したいときに、用いる表現です。とすると、今回の「お使いする」は、「使う」のはあなたであり、「いいじゃないか」と思いますよね。

ところが、この「お〜する」には、もう一つクリアしなければならない条件があるのです。それは…
自分の動作が、相手を巻き込むこと
です。もう少し詳しく説明しましょう。

敬語は、相手や話の中に出てくる人に対して、敬意を表すために使うのですよね。つまり、敬意を示す相手が存在しなければ、敬語は存在しない、と言ってもいいくらいです。

さて、「お使いする」を見てみましょう。まず「ペンを使う」のはあなたなので、尊敬語の形である「お〜なさる」ではなく、「お〜する」の形にする、という点はいいですね。次に、二つ目の条件、「自分の動作が相手を巻きこんでいるかどうか」を考えてみましょう。あなたが「ペンを使う」ことは、相手(今回はA先生)と関わりがあるでしょうか?「使う」という動作は、他の誰にも影響を与えることなく、あなただけで、動作が完結しますよね?わかりますか?

たとえ、使うものが先生のペンであろうが、「使う」という動作そのものは、あなただけの動作です。この「使う」に対して、「借りる」というあなたの動作を考えてみると、わかりやすいかもしれません。あなたが「ペンを借りる」という動作をするには、先生はあなたに「ペンを貸す」という動作をしなければなりません。それで、あなたは「ペンをお借りする」と言えるわけです。「使う」を「お使いする」としても、相手に敬意を示すことにならない理由がわかりましたか?

それでは、今回の場合、他にどのような言い方ができるでしょうか。例えば、
「そこのペンを使ってもいいですか。」
「そこのペンを使ってもよろしいですか。」
「使う」という言葉を使って、以上のような言い方ができますね。他には、
「そこのペンをお借りしていいですか。」
「そこのペンをお借りしてもいいですか。」
「そこのペンをお借りできますか。」
などが考えられます。

謙譲語「お〜する」の使い方は、難しいですね。この「日本語学習−敬語を使おう−」で、いろいろな例を出していきますので、一緒に勉強していきましょう。


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